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私たちの診療Tips

当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。

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腸球菌菌血症の治療

単一の血液培養で腸球菌が検出された状況では,敗血症の臨床的証拠がない場合や,多菌種感染症でより毒性の高い微生物を狙った抗菌薬治療で改善している患者の場合には,腸球菌菌血症に対する治療は延期してもよい.(Rev Infect Dis.1989;11:74. Rev Infect Dis.1991;13:600.)

血管内カテーテルが菌血症の原因である可能性が高い状況では,カテーテルの除去だけで感染を治すことができる.ただし,発熱がある場合は,腸球菌の検出後,追加の血液培養を行い結果を待つ間,経験的に抗菌薬投与を開始する必要がある.このような治療は,症状が軽快し弁の異常が見られない(IE所見がない)場合,通常5〜7日後に中止できる.
E.facalis以外の腸球菌性細菌血症のほとんどの症例は心内膜炎とは関連しない.E.facalis菌血症の患者における心内膜炎の相対リスクは高いが,それでも比較的低い.(Infection.2004;32:72.)

細菌性肺炎

■診断

・白血球の左方移動はbandが20%以上のとき,感染症の診断に対してLR 2.5/0.6である. (Am J Clin Pathol. 1997 May;107(5):582-91.)
・非定型肺炎鑑別
1.60歳未満
2.基礎疾患がない、あるいは軽微。
3.頑固な咳
4.胸部聴診上所見が乏しい
5.痰がない。あるいは、迅速診断法で原因菌が証明されない。
6.WBC 10000未満

4/6項目合致⇒非定型性肺炎疑い。LR+ 11.0, LR- 0.25
3/6項目以下⇒細菌性肺炎疑い。

1~5項目では
3/5以上合致⇒非定型性肺炎疑い。LR+ 6.46, LR- 0.18
2/5項目以下⇒細菌性肺炎疑い。

(成人市中肺炎ガイドラインより)

 

・マイコプラズマ肺炎に対しての迅速抗原検査はPCR陽性を基準とするとSn 62.5%, Sp 90.9%, LR+ 6.9, LR- 0.41( J Infect Chemother 2015 Jun;21(6):473)と血清IgM Sn 35~ 77%,  Sp 49~100%(J Clin Microbiol 2005 May;43(5):2277)と比べ,性能は低いかもしれない.ただし,IgMが発症後数日経過しないと陽性にならないのに対し,抗原は発症時から陽性になる可能性がある.

 

・クラミジア肺炎の検査はC.pneumoniea IgAを用いる.多くの成人は再感染で,この場合にはIgMが上がりづらい(外来診療の型.鈴木慎吾著.2020)

 

■治療

・人工呼吸器管理や昇圧剤が必要な重症肺炎ではステロイドが死亡率を下げるかもしれない.院内死亡率はプラセボ 30% vs ステロイド 0%.その研究でのステロイド使用量はヒドロコルチゾン200mg iv後に240mg/日で持続投与を7日間だった.ただし,早期中止試験なのでrandom highの可能性あり.(Am J Respir Crit Care Med. 2005 Feb 1;171(3):242-8)

・ステロイドはその後の2015年のSRでも重症例では総死亡をRR 0.39(0.20-0.77)に減らした.非重症例では有意差なし.(Annals of Internal Medicine2015;163:519)

伝染性単核球症

■脾腫は伝染性単核球症の約50%に出現する.通常,疾患の3週目までに後退し始める.

■脾破裂は1000人当たり1~2件,発症から約14日後,4日~8週間の間に発症することが多い.

UpToDate>Infectious mononucleosis 2020/6閲覧

■発症後10~14日で無症状で経過している場合は,発症14日経過後に軽い運動は再開可能.(Sports Health. 2014; 6: 232.)

単純ヘルペス感染症

免疫正常の成人に起こるウイルス性髄膜炎は性器ヘルペスHSV-2患者の13-36%で起こる.

HSV-2髄膜炎がある人の85%程度は陰部病変がみられる.

UpToDate>Aseptic meningitis in adults (2020/05に参照)

感染性心内膜炎

・手術に対して周術期死亡率などを予測するツールがある.
http://riskcalc.sts.org/stswebriskcalc/calculate

蜂窩織炎

・リンパ管炎を合併することがあり,特にA群溶連菌による敗血症から急速に起こることがある.そのため,敗血症を疑う所見+リンパ管炎を伴う蜂窩織炎では入院の上静注抗菌薬投与が望ましい(Medscape>Lymphangitis Treatment & Management, 2020/4閲覧).

梅毒

非トレポネーマ抗原による検査(例えばRPR)が微妙に低値の場合,治療後(意図しているかは関わらず),または自然治癒後のserofast reactionの可能性がある.これは十分な治療後に力価が1/4以下に低下しても,陰性化しない場合を指す.初期梅毒患者の15~20%で見られ,後期潜在梅毒では35%.RPRの力価は一般的に低値で安定する(例えば1:8未満).HIV患者ではserofastになりやすく,HIVチェックはしたほうがよい.(UpToDate>Syphilis: Treatment and monitoring 2020/3月閲覧).前値があれば比較可能.そのためRPR陽性=治療にならないかもしれない

急性前立腺炎

■診断(UTD>Acute bacterial prostatitis>DIAGNOSIS)

・抗菌薬治療の前に前立腺圧痛を直腸診で確認することが大切である.

■治療(UTD>Acute bacterial prostatitis>management)

・脂溶性抗菌薬であるST合剤またはニューキノロンが推奨される.

・発熱や排尿障害は2~6日で改善することが多い.

・治療期間は4週~6週間を推奨する.

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