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私たちの診療Tips
当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。
ウェルニッケ脳症
・ウェルニッケ脳症は臨床診断.
頭部MRIの中脳水道周囲,第三脳室周囲,蓋板,乳頭体,視床内側に認められる対称性の異常信号はSn 53%, Sp 93%,LR 7.6/0.5(Am J Roentgenol. 1998;171:1131)
- 5.疾患別Tips C_内分泌代謝/栄養 ビタミン欠乏
- 2021.07.13
菌血症
・免疫不全ではない成人の入院患者において感染症を疑い血液培養を採取するとき、採取直前の食事の摂取量(看護師記録)が80%以上であることは、菌血症の存在に対して感度93.7%、特異度34.6%、陽性尤度比1.43、陰性尤度比0.18であり、菌血症のrule outに有用である。
・また同様の状況において、医師により悪寒戦慄があったことが確認されることは、菌血症の存在に対して感度23.5%、特異度95.1%、陽性尤度比4.78、陰性尤度比0.8であり、菌血症のrule inに有用である。
(J Hosp Med. 2017 Jul;12(7):510-515.)
・免疫不全でないこれから入院する成人患者において感染症を疑い血液培養を採取するとき、採取前24時間の食事の摂取量(患者あるいは家族、介護者による申告)が80%以上であることは、菌血症の存在に対して感度84.4%、特異度19.8%、陽性尤度比1.05、陰性尤度比0.79であり、菌血症のrule outに有用ではない。
(BMJ Open. 2021 May 27;11(5):e044270.)
・MRSA菌血症患者に対して抗MRSA薬+βラクタム系併用は,抗MRSA薬単剤と比べてAKIが有意に増える.安全性から早期中止したので効果は不明(JAMA. 2020 Feb 11;323(6):527-537)
・K. pneumoniaeが血液培養で検出された際,string test(培地からコロニーを爪楊枝で引っ張る)で陽性(コロニーが5mm以上糸を引く)だと肝膿瘍,髄膜炎などの侵襲性クレブシエラ感染症になりやすい(J Intern Med. 2006;259:606. )
・敗血症患者では解熱剤使用で28日死亡率が上昇するかもしれない(NSAIDs OR 2.61,アセトアミノフェン OR 2.05),非敗血症では死亡率は上がらない(Critical Care 2012;16:R33)
発作性心房細動
発作性心房細動患者に抗凝固療法を開始する際の心房細動持続期間の閾値については確立していない。専門家の中でも意見が分かれており、30秒から6時間まで様々である。
(UpToDate>Atrial fibrillation: Anticoagulant therapy to prevent thromboembolism.2021/6月参照)
気胸
32%以上の虚脱が見られた気胸に対して保存的加療と胸腔ドレーン留置で8週間後の再膨張率に変わりはなかった(保存的加療94.4% vs.胸腔ドレーン98.5%)
(N Engl J Med. 2020;382(5):405)
- H_呼吸器
- 2021.06.18
喫煙
・禁煙した人は喫煙中の人と比べて,5年間以内に心血管イベント(心血管死,脳卒中,心筋梗塞,心不全)がHR 0.61(0.49-0.76)に減った(JAMA. 2019;322(7):642)
NSAIDsの副作用
・NSAIDsによる小腸・大腸の粘膜障害を見当したRCTではセレコキシブ vs ナプロキセン+PPI vs プラセボの2週間後で16% vs 55% vs 7%だった(Clin Gastroenterol Hepatol. 2005;3(2):133. )
- 5.疾患別Tips NSAIDsの副作用 O_その他
- 2021.03.30
ベーチェット病
・静脈性の血栓イベントは,動脈系よりも多い.ベーチェット病の静脈血栓症のリスクはコントロール群と比べ14倍(Rheumatology . 2001;40:652. )
- E_免疫/アレルギー/膠原病 ベーチェット病
- 2021.03.15
心房細動
・心房細動に対するアスピリンの脳梗塞予防効果はプラセボ/未治療と比べ,RRR 19%(95%CI -1.0~35), 1年のARRは一次予防で0.8%,二次予防で 2.5%だった(Ann Intern Med. 2007;146(12):857)
・脳梗塞ハイリスク患者に ILR を装着しても,心房細動は多く発見できたが,抗凝固薬導入による塞
栓症の予防効果までは示されなかった(Lancet. 2021;398:1507-1516. PMID:34469766)
薬剤熱
・比較3原則(比較的徐脈,比較的元気,比較的炎症反応が低い)が特徴と言われているが....
・典型と言われている比較的徐脈の頻度は実は10%程度(Ann Intern Med. 1987;106:728)
・比較的元気と言われているが,重症感を伴う症例もある.
・悪寒戦慄を伴う症例が40%報告(Ann Intern Med. 1987;106:728)
・皮疹は18%(Ann Intern Med. 1987;106:728)
化膿性脊椎炎
・血液培養陽性率は30-78%(Semin Arthritis Rheum.2009;39:10)
- EBMを実践したい方
- 「患者全体を診る」診療医師を目指している方
- 総合診療科が確立している体制の上で医師として活躍したい方
- 病院総合診療医を目指している方
- 家庭医として地域で活躍したい方
- 離島やへき地の診療所で活躍したい方







