血液内科について

見えない血液の病気を
患者さんと克服するために
日々努めています。

精鋭が集まるスタッフ

骨髄腫診療に情熱をもったスタッフがそろっており、迅速適切に対応できる安心安全な体制を整えております。

骨髄腫の研究を行うセンターを併設

多発性骨髄腫に対する新世代の樹状細胞療法など、最先端の治療法を研究目標とする国際骨髄腫先端治療研究センターが併設されています。

全身骨CTが必要な時に即、評価可能

全身MRIも院内で検査可能。
PET検査は、症例経験が豊富な国立国際医療研究センター病院や、さいたまセントラルクリニックで検査を行い、結果を評価して頂きます。

リハビリテーションが充実

病変の状態をふまえて、整形外科の先生が適切なリハビリテーション処方を行っています。 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のスタッフ数が充実しているので、骨が痛くて動けない状態で入院された患者さんもかなり動くことができるようになり、ご自宅へ退院されています。

入院病棟と外来が一元化

外来の前が化学療法室になっているなど動線を考えた緑豊かに広がる明るい病棟では、実勢の豊富な看護師も一緒に治療をサポートさせて頂きます。 また、ご希望に応じて、がん看護認定看護師がご相談を承ります。

症例をスタッフ間で共有

平日の朝に全症例をスタッフ全員で共有して、問題点を検討、治療方針を確認しています。
その他、多職種も一緒に定期的なカンファレンスを行い、より良い医療が提供できるように努力しています。
また年1回、骨髄腫患者会の勉強会を講堂で行うなど日々の研究も欠かしません。

当センターは造血幹細胞移植100症例を達成しました当センターは造血幹細胞移植100症例を達成しました

これを弾みに、
骨髄バンク&臍帯血バンク
認定施設を含む
同種移植の飛躍、
再生医療への展開を目指します。

真の地域医療振興は、先端治療を全国展開し、実践していくことだと考えています。
今回の100症例達成を弾みに、微力ながら、絶妙のチームワークを元に、
多くの部門の方々とスクラムを組んで前進させて頂ければと考えております。
宜しくお願い申し上げます。

詳細を見る

血液内科の概要

血液内科で診療を行うご病気には大きく分けて、多発性骨髄腫・白血病・悪性リンパ腫などの悪性疾患(いわゆる血液のがん)と、再生不良性貧血・血小板減少性紫斑病・凝固障害などの良性疾患があります。
血液疾患の患者さんは免疫力が低下していることが多く、治療にも抗癌剤やステロイド、免疫抑制剤などの薬剤を使うため、通常の免疫状態ではかからないような日和見感染症に気をつける必要があります。

そのためお見舞いの方々にも、マスクの着用や入室前の手指消毒をお願いしています。
発熱や下痢症状のある方やお子様の面会はお断りしております。

血液疾患の発症頻度はとても低い(10万人に数人程度)ため、集中的に診療経験を積むことができる施設は限られています。
当科は日本血液学会により血液研修施設の認定を受けており、血液学会専門医を目指す医師のトレーニングが可能です。
また、日本成人白血病治療共同研究グループ(JALSG)に参加しており、全国規模で行われている臨床試験を通じて、患者さんに最適な治療を実施できる体制を整えております。

一部の疾患では治療成績を向上させるために造血幹細胞移植(いわゆる「骨髄移植」)が必要になることがあります。
豊富な移植経験を有する血液専門医と化学療法認定看護師のチームで、当科開設の2017年4月より造血幹細胞移植を月2件以上のペースで行っています。

設備について

多発性骨髄腫の治療などで患者さんの感染を防ぐため、15床の無菌室を完備。血液学・腫瘍学の研究に用いられる最新鋭の機器を投入した診断と、充実した設備による最先端の治療を行っています。ここでは多くの設備と診断機器の中から、数点をご紹介します。

研究について

当科は血液疾患の診療に加えて、血液疾患のしくみを解明し、より効果的な治療を多くの患者さんにお届けすることを使命としています。
以下は、当科で現在行っている研究および近日中に開始する予定の研究です。

臨床部門

日本血液学会による血液疾患症例登録事業

わが国における造血器疾患の発生状況、各疾患の予後などを調査する疫学研究です。患者さんはすべて匿名化され、個人情報は保護されます。

日本成人白血病治療共同研究グループによる臨床研究

白血病の治療成績向上のための研究グループです。全国で200以上の医療機関が参加しています。

未治療多発性骨髄腫および高リスクくすぶり型骨髄腫に対する寛解導入療法および
自家幹細胞移植、移植後療法に関する臨床研究

研究部門

マルチカラーフローサイトメーターおよび次世代シークエンサーを用いた微少残存病変の評価
多発性骨髄腫およびMGUSの検体保存、遺伝子解析に関する研究

カンファレンス等について

平日朝

スタッフ全員で症例を共有

毎週
月曜日

リハビリカンファレンス

新しくリハビリテーションが開始になった患者さんや病状が変わった患者さんについて、リハビリテーション科の先生や療法士さんと状態を確認します。

毎週
月曜日

退院調整カンファレンス

ソーシャルワーカーさんと退院や転院の調整が必要な患者さんについて、相談します。

毎週
火曜日

鏡検カンファレンス

一週間の骨髄検査標本全てを血液検査室の技師さんと一緒に顕微鏡で確認します。

毎週
火曜日

部長カンファレンス

入院患者さん全症例の温度版や検査値をスタッフ全員で供覧し、治療方針を確認します。外来患者さんについても必要に応じて治療方針を検討します。

毎週
木曜日

部長回診

部長が入院患者さん全員の診察と行います。

毎週
木曜日

抄読会

スタッフが論文を持ち寄って、討論します。

随時

移植カンファレンス

移植症例毎に、薬剤師さん・看護師さんも一緒に適応や、前処置の薬剤投与量、問題点について検討します。

月1回

移植日程調整

看護師さん、薬剤師さん、輸血検査室技師さん、臨床工学技士さんと一緒に、移植および幹細胞採取の日程を、およそ数か月先まで決めていきます。

月1回

病理カンファレンス

リンパ節やその他の病理標本を病理の先生に供覧・解説して頂き、臨床所見と合わせて問題点を検討していきます。

1回/
2か月

輸血部・薬剤部ミーティング

業務上の問題点を定期的に確認し、改善していきます。
・病棟専属の薬剤師さんが、安心して治療に臨めるよう、お薬の説明をさせて頂きます。
・検査技師さんと一丸になって、診断・治療をすすめています。

他部署との連携について

診断に欠かせないリンパ節や組織の生検は、形成外科や耳鼻科、皮膚科、放射線科(CT、ガイド下生検)、消化器内科の先生が迅速に対応してくださいます。放射線治療は板橋中央総合病院の先生にお願いしています。
同胞以外のドナーさんからの同種移植は、経験豊富な施設(駒込病院など)の先生にお願いしています。

血液
検査室

とてもきれいな骨髄標本を作ってくれます。
迅速な診断には欠かせません。

輸血
検査室

迅速に必要な輸血製剤の準備をしてくれます。採取した末梢血幹細胞の保存を行ってくれます。

臨床
工学室

臨床工学技士さんが末梢血幹細胞採取を安全に行ってくれます。

栄養室

選択食として化学療法食があります。細かな相談にも迅速に対応してくれます。

リハビリ
テーション

入院中体力がおちないように、退院してから普通の生活にできるたけすぐに戻ることができるように、患者さんと一緒にリハビリテーションを行ってくれます。

歯科

週1回訪問歯科の先生がいらして下さいます。化学療法施行前の感染巣評価や骨髄腫の支持療法で欠かせないビスフォスフォネート製剤使用中の定期評価、口腔ケアをお願いしています。

参加団体・認定

  • ・JALSG参加施設
  • ・日本血液学会認定施設
  • ・日本造血幹細胞移植学会移植症例登録(TRUMP)
  • ・お茶の水研究会