入院について
産前・産後の入院生活についてご紹介します。
出産時はもちろん、産後の入院中も安心して過ごしていただけるよう、必要なケアを提供しています。
入院中の過ごし方
当センターでは大部屋(4人部屋)と個室を選択していただけます。大部屋は各部屋にトイレと洗面所が1つずつ付いており、病棟全体で3ヶ所のシャワー室があります。個室は各部屋にトイレ、洗面所、シャワーが付いています。各ベッドに備え付けのディスプレイでテレビやインターネットもご利用いただけます。
予約手続きの際に大部屋・個室のご希望を伺っておりますので、担当者へお伝えください。
大部屋での携帯電話・スマートフォンはマナーモードにし、通話はご遠慮いただいています。通話の場合はエレベーターホールか食堂で使用していただくようお願いします。
LDRで出産後2時間過ごしていただいた後、通常の病室へ移動します。基本的に、入院中は24時間の母児同室になります。赤ちゃんのお世話をしながら入院生活を過ごします。
LDRの過ごし方
LDRとは陣痛(Labor)分娩(Delivery)回復(Recovery)の略です。陣痛から出産後の休息までをゆったりとした個室で過ごすことができます。
LDR内では、産婦さんご本人が付き添って欲しいと希望する方1名の付き添いが可能です。付き添いの方に腰をマッサージしてもらうなどサポートしてもらうことができます。個室ですので、アクティブチェアー(出産の痛み緩和に効果があるといわれている椅子のこと)に座ったり、音楽を聴いたりして過ごすことができます。お気に入りのアロマを焚くこともできます。
陣痛中に「こんなことがしたい」ということがあれば、スタッフに気軽に相談してください。
出産が終了すると、赤ちゃんはLDR内で体温の測定や身長・体重測定などを行います。お母様、赤ちゃんともに体調が問題なければ、産後2時間まで赤ちゃんと一緒にLDR内で過ごすことができます。
入院中のスケジュール
経腟分娩の場合、初めてのご出産の方は出産当日を0日目として5日目に退院となります。
2人目以降のご出産の方は5日目もしくはご希望があり母児の体調が問題なければ4日目に退院となります。
妊娠高血圧症候群の方(妊娠中や出産時、産後に血圧の上昇があった方)は、出産当日を0日目として7日目まで血圧などの経過をみる必要があり、入院期間が長くなります。
帝王切開の場合は、手術当日を0日目として初めてのご出産の方は7日目に退院となります。
2人目以降のご出産の方は7日目もしくはご希望があり母児の体調が問題なければ6日目に退院となります。
その他、出産時の出血が多く産後の貧血が強いなど、体調によっては入院日数が延びることもあります。また、赤ちゃんの体調によっては、赤ちゃんの入院日数が延びることもあります。
退院後に赤ちゃんと安心してご自宅で過ごせるように、入院中にさまざまな指導等を予定しています。なお、対象はお母様のみになります。
授乳指導
授乳のポイントや、赤ちゃんと同室する際の注意事項を説明します。
(出産後当日、または1日目、帝王切開の方は2日目または3日目)
沐浴実施
スタッフがお手伝いしながら赤ちゃんの沐浴をお母様が行います。
(出産後3日目、または5日目)
退院指導
退院後の赤ちゃんのお世話や お母様の体について説明します。
(月・水・金・日曜日の11時から)
また産後うつのスクリーニングテスト(EPDS)を経腟分娩の方は3日目、帝王切開の方は5日目に行います。
入院中のスケジュールについては、出産後にお渡しするスケジュール表(クリニカルパス)を確認してください。なお、お母様の体調によっては日付を変更することがあります。
母児同室について
当センターでは、母乳育児推進、また育児技術習得のため母児同室を行っています。
母児ともに経過が順調であれば出産直後より母児同室とし、日中・夜間も赤ちゃんのお世話をお母様にしていただきます。体調によってはスタッフが赤ちゃんをお預かりすることもできます。お母様と赤ちゃんが一緒に過ごすことが自然の姿です。赤ちゃんの1日のリズムがわかるので家に帰っても安心して育児にのぞめるようになります。自信を持って退院できるよう少しずつ入院中から育児に慣れていきましょう。
帝王切開の場合は、手術同日~術後1日目まではスタッフが赤ちゃんをお預かりし、お母様の状態に応じて授乳のお手伝いなどをいたします。お母様と赤ちゃんの体調にもよりますが、同室開始は術後2日目からとなります。
予定帝王切開で生まれた赤ちゃんは、出生後特に問題がなければ産科病棟(4階西病棟)に入院します。出生後の状態によっては、NICUに数日入院することもあります。緊急帝王切開で生まれた赤ちゃんは、まずNICUに入院し、赤ちゃんの状態に応じて産科病棟の新生児室に移動してきます。
産後の食事について
産後は、授乳のためにエネルギー量を付加した食事を提供しています。
お昼にはパスタや中華セット、ラザニアなど日替わりでお食事を提供しています。
15時にはだんごやプリンアラモードなど和洋のデザートを日替わりで提供しています。日によってハーブティーを準備しております。
また、夜間の授乳の合間などに食べていただけるよう、夜食としてパンも提供しています。当センター南館1階のカフェテリアサンデーで販売しているクロワッサンやベーグルを、日替わりでお一人一つずつご用意しています。
出産された方へお祝い膳を提供しています。
経腟分娩の方は産後3日目の夕食、帝王切開の方は産後5日目の夕食で提供します。
出産セット・お土産セット
陣痛や破水で入院となった際に、出産時必要なものが入った出産セットをお渡ししています。セットの中にはお産パットや出産時に着るガウンなどが入っています。
また、出産後は病院からお土産セットをプレゼントしています。セットの中にはカタログギフトが入っており、お好きな商品を選んでいただくことができます。
※出産セット・お土産セットは、出産準備クラスで見本をご覧いただけます。
※セットの内容は予告なく変更となることがあります。
母乳育児について
当センターは母乳育児を応援します。母乳育児を希望するお母様達にその希望に沿うよう、スタッフはお手伝いをしていきます。お母様の乳房と乳頭の状態、疲労、赤ちゃんの欲求などを総合的に判断し、余分な水分は与えずに必要な時だけ最小限にミルクを飲ませます。(ただし、赤ちゃんの状態や医師の指示によります)母乳の分泌を促すためには出産後できるだけ早く回数多く吸わせましょう。
退院後も授乳のことや、育児のこと、赤ちゃんのことなどを相談するための外来として、フォローアップ外来を行っています。当センターで出産した方を対象として、予約制で行っております。詳細は、退院後のケアのページをご覧ください。また、乳腺炎の症状がある場合のマッサージ・指導も行っています。
退院後のケアについて
バースレビュー
当センターでは、バースレビューを積極的に実施しています。
バースレビューとは、出産後にその時の思いや経験したことを振り返り整理することです。出産はとても貴重な経験ですが、実際にはその時は痛みに耐えるのに必死であまり良く覚えていない、出産後の赤ちゃんとの生活に慣れるのに精一杯で忘れてしまう、ということもあります。出産の時の気持ちを思い出しながら書き出したり、出産を担当した助産師と話し合ったりすることで、ご自身の気持ちが整理されより大切な思い出にすることができます。出産を乗り越えたという自信につなげることや、思い出を将来赤ちゃんが大きくなったときに話してあげることもできます。
出産を担当した助産師が可能な限り入院期間中に個別でお話をしに伺いますので、出産の貴重な経験を一緒に振り返ってみましょう。
産後のメンタルケアについて
出産後はホルモンバランスの急激な変化や慣れない赤ちゃんとの生活、授乳などによる睡眠不足などで精神的に不安定になることも珍しくありません。一時的なトラブルとして時間の経過とともに解決することがほとんどですが、放っておくと悪化して「産後うつ」と呼ばれる病気に発展することもあります。
当センターでは、産後の入院期間中に産後うつのリスクを確認するためのスクリーニングテストを全員に実施しています。そのテストの結果や、ご本人の状態を総合的に判断し、出産の前後にメンタル面のトラブルを生じた際には、連携している専門医療機関への紹介や相談を行っています。
辛いと感じる症状がある場合は、遠慮せず医師または助産師までご相談ください。また、産後の辛い状況を改善するためには、ご主人(パートナー)をはじめとするご家族の協力がとても大切です。ご家族からのご相談も承りますので、医師・助産師までご相談ください。